電話線はなかった。
発信元もなかった。
それでも、私の名前を呼んだ。
Story
聞こえたのは、他人の声ではなかった。
山の上の古い貸家。誰もいないはずの居間。午前三時十七分。 昨日まで存在しなかった黒電話が、畳の上で鳴っていた。
How To Enter
三つの入口
『電話』は、物語としても、事件ファイルとしても、映画の予告のようにも読める。
World
物語は、家だけでは終わらない。
黒電話は、場所を変える。貸家、病院、モーテル、警察の証拠保管室。 どこに移されても、午前三時十七分になると鳴り始める。
The Call
もしもし、と言ってはいけない。
最初は無音。次に、微かな息。遠くで何かが落ちる音。 そして、悲鳴。電話を取った者は、その声が誰のものかをすぐには理解できない。
Gallery
沈黙している写真ほど、怖い。
家、黒電話、証拠、最後の着信。画像はすべて、物語の断片である。