黒電話と物語の章が暗い壁に浮かぶ
Story

物語

鳴り続ける黒電話。
出た瞬間、私は叫んだ。

全七章 午前三時十七分 黒電話 自分の悲鳴

電話は、
物語の外から鳴っていた。
だから、読者にも聞こえる。

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Overview

『電話』を読む

山の上の古い貸家に越してきた水原玲奈は、午前三時十七分、 あるはずのない黒電話の音で目を覚ます。電話線はない。契約もない。 昨日まで、そこに電話はなかった。

受話器を取った瞬間、玲奈は電話の向こうで悲鳴を聞く。 最初は見知らぬ女の声だと思った。けれど、それは彼女自身の声だった。 まだ叫んでいない自分。これから叫ぶはずの自分。あるいは、もう戻れない場所にいる自分。

黒電話は壊しても戻る。居間から台所へ、鏡の中へ、スマートフォンの録音へ、そして祖母の家の記憶へ。 電話は場所を移動するのではない。人間の後悔に沿って現れる。

これは、怪異と戦う物語ではない。出なかった電話を悔やみ続ける人間が、 もう一度「出るか、出ないか」を選ばされる物語である。

Reading Path

おすすめの読み方

怪談として読むなら章順に。事件として読むなら、年表と証拠を行き来しながら。

一、物語として読む

まずは「序章」から「終章」まで順番に読む。 玲奈の恐怖、記憶、後悔が段階的に開いていきます。

二、事件として読む

年表、着信記録、警察報告書、録音書き起こしを先に読むと、 『電話』は怪談ではなく、未解決ファイルのように見えてきます。

三、映像として見る

ギャラリー、ポスター、予告ページを先に見ると、 黒電話の存在感と作品の映画的な空気がつかめます。

受話器を耳に当てる人物
Core Fear

なぜ、人は電話に出てしまうのか。

誰かが助けを求めているかもしれない。無視すれば、取り返しがつかないかもしれない。 電話は、その優しさと後悔を利用する。だから怖い。

Chapter Guide

各章の入口

短い案内で、どの章へ入るかを選べます。

物語目次

題名 恐怖の中心
00 序章 あるはずのない黒電話が、真夜中の畳に現れる。
01 最初の着信 受話器の向こうで聞こえた悲鳴が、自分の声だと気づく。
02 黒電話 壊したはずの電話が、元に戻り始める。
03 出ないで 鏡と録音の中で、もう一人の自分が警告する。
04 二度目の電話 電話は受けるものではなく、かけさせるものだと分かる。
05 最後の着信 最後の電話とは、最後に出る人間のことだった。
06 終章 電話は消えたように見える。だが音だけは遠くに残る。

次に鳴る電話が、
物語の続きとは限らない。
あなたの部屋かもしれない。

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